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WORKS

導入事例

2025.06.05

自社製品

材料の混ざり具合を数値化可能な混錬具合可視化システム

ミリ波CTスキャナー VisibleSense で
今まで見えなかった物質内部の
密度分布を可視化!

背景・課題

世の中の工業製品は、様々な原材料を混ぜ合わせて作られています。混ざり具合が不充分であった場合、次のような問題が発生する恐れがあります。

1.不均一な材料特性
混錬が不十分な場合、材料の分布や特性が均一にならず、硬化不良や化学反応のムラが発生します。
また、複合材料では、強度や耐久性が設計値と異なる不安定な製品が生じる恐れがあり、ゴムやプラスチック製品では、粘度や弾性が異常になる可能性があります。
2.機械的性能の低下
材料内部に気泡や混在物が残ることで、引張強度、衝撃強度、耐摩耗性など、製品の機械的性能が低下する可能性があります。
構造部材として使われる場合は安全性に深刻な影響を与えることがあります。
3.外観不良
混錬ムラにより、製品の表面に色むら、斑点、線状の模様が現れることがあります。
見た目の悪さは顧客満足度を低下させ、市場価値を損ないます。
4.機能不良
機能が混錬状態に依存する場合(例:ゴムの弾力性、接着剤の粘着性など)、その機能を十分に発揮できなくなることがあります。
電池の電極材料や電子部品の基材で混錬不良があると、性能や安定性に深刻な影響を与える場合があります。
5.生産性の低下
混錬不良がフィードバックを受けた場合、製造ラインでの停止や再加工が必要となり、生産効率が著しく低下します。
不良品率が高くなることで、材料ロスや労働コストが増加します。

導入事例

密度の異なる2種類の材料(粘土)の混錬状態を可視化した計測事例を示します。

白色の粘土が密度の高い粘土で、黒色が密度の低い粘土です。
上側の写真は、左から、混錬前、混錬途中、混錬後の粘土の状態です。
混錬前は白黒がはっきりと分かれており、混錬途中はまだら模様のように混ざり合っています。最後の混練後は完全に混ざりきって灰色になっているのが分かります。
それぞれの状態をミリ波CTスキャナーで計測したものが下側のカラーコンター図になります。
赤色が密度の高いところ、青色が密度の低いところを表しています。
混錬前は赤色と青色がはっきり分かれており、混錬途中はまだらになって黄色や緑色が見え、混錬後は黄色一色になっています。
カラーコンター図を見るだけで混練の状態が判断できますが、これを数値で表現してみると、以下のようなグラフができます。

このグラフは密度をヒストグラムにしたもので、左から、混錬前、混錬途中、混錬後に対応しています。
標準偏差を用いると、混錬が進むにつれて標準偏差が小さくなる傾向があるため、この標準偏差の値から混錬状態を判断することができます。

導入メリット

混錬状態を監視することには、多くのメリットがあります。
混錬プロセスは、さまざまな材料が均一に混合され適切な物性を得るために重要な工程であるため、監視は品質管理や生産効率向上に直結します。以下はその主なメリットです。

1.製品品質の安定化
混錬状態をリアルタイムで監視することで、材料の均一な混合が確保でき、製品の物性が一定になることを保証できます。
均質性の確保により、最終製品の性能や信頼性が向上します。
2.工程異常の早期検出
ミリ波CTスキャナーを使用して混錬状態を観測すれば、異常(材料の偏り、温度の不適切な変化、粘度の変化など)を早期に検出可能です。
早期対応により、不良品の生成や無駄な材料消費を最小化できます。
3.材料ロスの削減
適切な混錬状態を維持することで、過剰な材料追加や再加工を防ぐことができ、材料の使用効率が向上します。
4.エネルギー効率の向上
混錬工程の監視により、必要以上のエネルギー使用を抑えられるため、コスト削減や環境負荷軽減が可能です。
5.製造プロセスの最適化
混錬プロセスのデータを蓄積・分析することで、工程時間や条件を最適化し、より効率的な生産フローを構築できます。

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