インラインで非接触密度目付計測が可能
・インラインでの全数検査を実現し品質のバラつきを即時検知!!
・常時監視することでフィードバック制御に活用。製造工程のロスを削減。
・「材料廃棄」「エネルギー使用量」の削減によりカーボンニュートラルに貢献!!
・センサーの小型化(大型モバイルバッテリー相当)と省配線設計で既設ラインへスムーズに導入可能!!
・日常利用に適した電磁波方式を採用!!放射線を用いないため特別な資格や放射線管理が不要で安心。
・製造時の「エネルギー効率化」「資源の有効活用・循環」を促しSDGsの目標達成に貢献。
非接触密度目付センサーとは
非接触密度目付センサーは、ミリ波モジュールを活用して対象物の内容構造(密度、混錬具合)を測定出来ます。
測定方法は、ミリ波を計測対象物に照射し、反射波を八光オートメーション独自の信号処理技術で解析することで、内部の密度分布や目付量を可視化します。
ミリ波は物質内部を透過し、異なる物質の境界面で反射する特性を持ちます。また、物質内部を伝搬するミリ波は密度や粗密具合に応じて波長が変化し、これが到達時間の差として現れます(図1)。
同一材質内での到達時間の差は密度や粗密具合の違いを示しており、この現象を利用することで、物質内部の密度分布や目付量を非接触且つ非破壊で計測することが可能です。
対象製品:食品(パンや菓子類、麺類の生地)、フェルト、不織布、セラミックス、グリーンシート、プラスチック、寝具、断熱材、建築材料、ゴム、フィルター、発砲スチロール、etc

特長
1:内部構造を非接触・非破壊で計測し可視化が可能
ミリ波が測定対象物の内部を透過し到達した時間差で密度・目付量を求めるため、対象物に触れたり壊したりすることなく計測が可能。
2:自動・連続インライン計測が可能
非接触密度目付センサーを生産ラインに組み込むことで、製品全面のリアルタイム計測が可能となり、早期に不良や工程異常を検出することが可能。且つ上流工程へのフィードバックにより品質向上・歩留まり向上が見込める。
3:広範囲計測が可能
対象のワークに合わせてアクチュエータで非接触密度目付センサーを移動させながら計測する事も出来るため、広範囲の計測が可能。さらに製品の計測範囲を拡張する場合は、アクチュエータの変更や複数台での同時計測で対応可能。
4:モジュールの小型化
大型モバイルバッテリー相当サイズの小型モジュールと省配線設計により、既設ラインへの導入が極めて容易。設備改修工事や生産ラインの停止期間を最小限に抑え、迅速な導入と稼働開始を可能にし、スムーズな生産体制の移行をサポート。
5:IP64相当耐環境設計
センサーヘッドはIP64相当の耐環境設計。粉塵が舞う製造ラインや水気のある生産ラインなどにも安心して使用可能。
6:カーボンニュートラルに貢献
常時監視によって製品の品質状態をリアルタイムに把握。測定データを製造ラインへフィードバックする事で不良品の発生率を抑制し、材料廃棄とエネルギー使用量を削減。結果としてCO2排出に寄与し、カーボンニュートラルの実現を後押し。
7:SDGsに貢献
X線などの放射線を使用せず、日常利用に適した電磁波方式を採用。作業者の健康リスクを低減し、「すべての人に健康と福祉を」に貢献。また、特別な資格や専任の放射線管理者が不要で、誰でも安心して扱える運用性を実現。「働きがいも経済成長も」の達成を後押し。
ミリ波を応用して密度目付計測を行う
ミリ波とは、30GHzから300GHz(波長10mmから1mm)までの電波をさし、直進性が強く、天候等に対する耐環境性が優れているという特徴があります。
車載レーダーや5Gスマートフォン、空港のボディスキャナーなどに使用されています。

ミリ波は誘電体の内部に透過する特徴があります。建物の中で携帯電話が使用できるのはこの特徴によるものです。また、透過する際、その境界面で一部は反射します。

物体内部に誘電率が異なる部位が存在した場合も、その境界面で一部は反射し一部は透過します。また、誘電体の内部では、その誘電率に応じた波長に変化し、その結果振幅と位相に差異が生じます。これらの情報を利用して、物質内部の検査を行います。

通常の電磁波レーダーは送信波と同じ方向に反射した信号を使用します。そのため、空間分解能はアンテナの指向性で決まります。

一方、高分解能処理では、広い角度の情報を使用します。今まで捨てていた広範囲に反射した信号を利用することで、1点当たりの情報量が増え、分解能を向上させることが可能となります。

この高分解能処理に使われている技術は、人工衛星で地球を観測する際に、地盤のわずかな動きをキャッチしたり、地表の凹凸を詳細に把握し非常に精密な3D地図を作ったりするために使われている技術と同じです。
誘電体とは
「電気を通さない(絶縁性がある)けれど、電気的なエネルギーを一時的に蓄えることができる物質」のこと。
誘電率とは
誘電体がどれくらい電気エネルギーを蓄えやすいかを示す指標を「誘電率」と呼ぶ。誘電率が高い誘電体ほど、多くの電気エネルギーを蓄えることができる。
電磁波とは
電場(電界)と磁場(磁界)という二つの異なる物理的な波が、互いに影響し合いながら空間を伝播する現象、またはその波そのものを指す。「光」も電磁波の一種。
空間分解能とは
画像や測定において、どれだけ細かいものを識別できるか、あるいは区別できるかを示す能力のこと。
密度計測とは
密度とは、単位体積当たりの重さを指します。通常、g/cm3(またはkg/m3)で表記されます。
従来の密度計測手法は、固体と流体(液体・気体)とで異なり、固体の場合は主に2通り、流体の場合は主に3通りあります。
固体と流体の密度計測には、「体積の測り方」「測定機器」「注意すべき条件」などに違いがあります。
【固体の密度計測方法】
◆体積計測+質量計測による算出:
天秤で質量を計測、ノギスやマイクロメーターで体積を算出し
『密度=質量/体積』で求めます。
形状が単純で寸法計測が容易なものが対象となります。
◆アルキメデス法:
計測対象の質量を空気中と液体中で計測し、水中での減少分から体積を求め、密度を算出します。
不定形な形状でも適用可能ですが、水没させる必要があります。
どちらもインラインでの計測は難しい手法です。
【液体の密度計測方法】
◆ピクノメーター(比重ビュレット):
あらかじめ目盛り付けしたガラス容器(ピクノメーター)に液体を入れ、秤で質量を測定します。空容器質量との差・内腔容量から密度を算出する方法です。
校正が確立しており高精度ですが、操作に手間がかかり、温度制御と気泡除去が必要です。
◆浮力(ハイドロスタティック)式秤量法:
秤上のフックに標準固体や金属製シリンダーを吊るし、空気中と液中での見かけ重量差から液体の浮力を求め、密度を逆算する方法です。
広い粘度範囲に適用できますが、装置が高額で温度管理が必要です。
◆比重計(ハイドロメーター):
浮こう体(ガラス管)を液中に浮かべ、目盛りの沈み具合で密度を読む方法です。
簡便で廉価ですが、目視読み取り誤差を含み、粘度や表面張力の影響を受けやすいという欠点があります。

目付計測とは
目付量とは、主に繊維製品や紙、不織布、フィルムなどで用いられる用語で、単位面積当たりの重さを指します。通常、g/m2で表記されます。
繊維や不織布業界で、生地やシートの品質管理項目として広く使われます。

従来の検査手法では、対象物から一定の面積を切り出し、高精度電子天秤を用いて質量を測定する必要がありました。
そのため、検査は抜き取りによるサンプリング方式となり、インラインでの全数検査は実現できませんでした。
用途例(目付計測)
背景・課題
目付計測は、固体状の繊維物(繊維ボード、不織布、羽毛布団など)でよく用いられる計測方法です。
従来の計測方法には次の様な課題があります。
1.規定寸法に切断する前段取りが発生し時間と人員が必要
2.測定の結果に作業者の習熟度によるバラつきが含まれる
3.リアルタイムでの全数検査が難しい
4.全数検査ができず不適合品が出荷される可能性がある
5.X線検査装置導入時の提出書類関係、放射線取扱主任者を省きたい
測定事例

インラインで全数検査が可能!
製品内部の見える化で品質管理を実現!
導入メリット
1.非破壊検査により全数検査を実現
独自のミリ波計測で内部を非破壊・非接触で全数検査し、内部不良を早期に発見して品質を安定化します。
2.インラインでの自動・連続測定が可能
製造ラインに設置するだけで、非接触の連続測定が可能です。結果をリアルタイムで可視化し、不適合品を早期に検知して不良発生率を大幅に低減します。
3.人員不足を低減、誰でも使える計測機器
製造中の内部状態を非破壊で数値化し、分布を可視化して判断基準を標準化。熟練度差や技術継承の負担、教育コストを削減し、少人数でも安定運用できることで人手不足解消に貢献します。
4.計測対象のサイズを選ばない柔軟性
ワークサイズを問わず計測が可能。アクチュエータの変更や非接触密度目付センサーの複数台構成により小物から大判ワークまで柔軟に対応します。既設ラインや製品バリエーションの変更にもスムーズに追従できます。
5.既設ラインへ短期間で後付け可能
大型モバイルバッテリー相当の小型モジュールと省配線設計により、既設ラインへの導入がスムーズ。短期間で立上げができるため生産への影響を最小限にとどめ、投資回収(ROI)の早期化が可能です。
6.SDGsへの貢献
リアルタイム検査で不良品を早期発見し、材料ロスとエネルギー消費を削減することでCO₂排出を抑え、カーボンニュートラルに貢献します。
X線を使わない安全な電磁波方式を採用し、作業者の健康リスクを低減。特別な資格や放射線管理者が不要で、誰でも安心して操作できます。これによりSDGsの「すべての人に健康と福祉を」「働きがいも経済成長も」を支援します。
7.開発・製造の両工程で同一センサーを使用可能
分析・解析用ラボ機と実際の製造ラインの両方で、同一の非接触密度目付センサーを使用して測定が可能です。これにより、取得データの整合性が確保され、新製品開発や各種テストもスムーズに行うことができます。


