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2022.10.05

技術紹介

X線を不使用・低コストのCTスキャナー『ミリ波CTスキャナー』 電力消費の削減や原料廃棄を防ぐシステムなどで省エネに貢献

概要

自動車用ミリ波レーダーを応用した、安全で低コストな『ミリ波CTスキャナー』を開発しました。X線CTスキャナーでは検査困難な、プラスチックやゴムなどの原材料の混ざり具合や密度分布の可視化が可能な装置です。

電力消費の削減

さまざまな工場の生産ラインの上流側には、原材料を混ぜ合わせる工程があります。この工程に『ミリ波CTスキャナー』を設置し、混ざり具合を検査します。材料を混ぜ合わせる工程は、その混ぜ合わせる時間が電力消費に直結します。必要以上に混ぜ合わせることは、電力を浪費しているだけなのです。
しかし現状は混ざり具合を評価する手段がないため、完全に混ざり合うよりも長い時間混ぜることで品質を保っています。『ミリ波CTスキャナー』で混ざり具合を可視化できれば、過剰な混ぜ合わせ時間が不要となり電力消費を削減することができます。その結果、各企業のSDGsの取り組みに寄与できると考えております。

原料廃棄の撲滅

生産ラインの上流側で原材料の混ざり具合に問題が見つかった場合、再度混ぜ直すことで良品へと修正することができます。生産ラインの下流側で問題が見つかった場合、既に各種加工が施されているため製品を廃棄するしかありません。ミリ波CTスキャナーを生産ラインの上流側に設置することで、材料の廃棄を防ぎ、かつ高品質な製品の製造に貢献できると考えております。

X線との違い

X線CTスキャナーは密度が低い材料では十分なコントラストが得られず検査が困難でした。『ミリ波CTスキャナー』はプラスチックやゴムなどの検査で、X線より高いコントラストを得ることができます。また、ミリ波はX線のような被ばくの危険性がなく、管理者の登録も不要なため導入が容易です。その他、X線源のような消耗品もないため、ランニングコストを抑えることができます。

計測事例

密度の異なる2種類の材料の混ざり具合を計測した事例です。
混ざり具合をカラー画像とヒストグラム、標準偏差で判断することができます。

装置スペック

分解能

水平方向:3mm、深さ方向:40mm

計測対象

形状:凹凸のない平面形状
材質:樹脂、セラミックス、ゴム、ガラス等
    ※導電性材料は計測不可
厚さ:1~50mm(材質による)

今後の予定

オフラインでの使用を想定した卓上型の『ミリ波CTスキャナー』を2022年8月より販売開始しました。販売価格は非破壊検査装置としては破格の1台350万円です。また、生産ラインに直接設置するインライン型の『ミリ波CTスキャナー』の開発も進めております。