社会に浸透するセンシング技術の活用から応用

社会の中に浸透している「センシング」

多くの人々が日々チェックする、天気予報。誰しもがニュースやアプリなどで気軽に確認することができる情報ですが、その基礎となる気象情報は、気象衛星をはじめ、気象庁により構築された広域気象センシング・システムにより集められた情報で構成されています。東経140度、高度3万5800キロメートルの静止軌道上に位置する気象衛星がリモートセンシングにより収集する雲の画像から、台風の位置や進路の予測情報を作成し、その情報が日常の生活や安全に大きく貢献しています。

社会のなかで流通している情報は、学術的興味あるいは社会の要請により獲得された情報ですが、人の感覚器官により感性を介して獲得された情報よりはるかに多い情報が収集されています。

感覚機能を人工的に発展させ、センサなどを使用してさまざまな情報を計測し数値化された情報を獲得する技術が「センシング技術」です。特に遠隔操作によって計測する技術をリモートセンシングと呼び、宇宙・航空・地球化学の分野で重要な技術として使用されています。

センシング(sensing)とは「感覚の」「センサの」「センサで観測すること」といった意味で利用される言葉です。温度・湿度・音量・明るさ・衝撃等を、状況に応じた装置や手法にて、定量的なデータとして収集します。

もちろん冒頭に紹介した天気予報以外にも、商品につけられたラベルから商品名と価格をセンシングシステムが読み取って売上を集計したり、交通機関の自動改札では切符や定期券を自動的に読み取り、必要があれば精算を行うなど、センシング技術は社会のなかに広く深く浸透しています。

八光オートメーションが開発したセンシング機器

八光オートメーションは「センシング技術」を応用し、自社独自の計測機器を開発しております。

      
  • マイクロ波検査装置……内部欠陥検査・密度変化計測
  •   

  • 可視光……面歪み検査:LINE STRIPER・SPHYRNA
  •   

  • 超音波……内部欠陥検査:AEROSONAR
  •   

  • 赤外線……内部欠陥検査

これらの機器にて適用対象の幅を広げ、お客様の現場にて様々な検査に対応できるよう、日々検証含めて対応させていただいております。

以下では当社が活用するセンシング技術や、その基礎となる計測・認識の考え方、仕組みなどについて、詳しくご説明していきます。

計測・計量・測定・認識の歴史

センシング技術により収集された情報は、誰でも・いつでも・どこでも利用できるように、客観的な情報として定量化されていなければなりません。情報を収集し、定量化する技術として計測技術があります。「計測」とは、対象を量的に把握する目的で情報を獲得し、それを量の体系と結び付けて記述し活用することです。量の体系とは、世界の人々が共有している数値により対象の大きさを表現することです。

量の体系では、数値が示す意味が普遍的でなければ客観性が得られません。そのため、客観性をもつ量の大きさを単位量として定め、それによる量の基準を定めたものが単位系です。CGS単位系・SI単位系等にもとづく表記となります。

19世紀に国際的な通商が盛んになり、統一されたメートル法が制定されました。そのとき世界中のだれにも理解される客観的な長さとして、地球の子午線に沿って赤道から極までの距離を採用し、その1000万分の1を1メートルと定め、メートル単位系が構築されました。公的基準に基づく計測をとくに「計量」と呼びます。また、基準量と対象量とを比較して、対象が基準の何倍であるかを数値で示すことを「測定」と言います。

計測、計量、測定は同じような意味で使われることがありますが、対象を正しく認識し、それを数値で記述する場合にその技術が活用されます。数値で表現されることにより対象に関する不確かさが小さくなり、情報量が増加します。

人の顔や声のように数値化できない対象でも、それがだれであるかを判別し正しい情報を得ることを「認識」と言います。

セキュリティ確保などの目的から、顔の認識技術は2000年以降急激に発達し、認識システムは一部実用化されていますが、人間がもつ認識能力にはまだおよんでいません。一方、指紋や書かれた文字の認識は実用化されています。郵便番号の自動読取り仕分け装置のように、手書文字を数字に限定することにより正しい認識が可能となっています。

センシングを実現するセンサ

情報を獲得するシステムのなかで情報源にもっとも近い要素をセンサ「sensor」と言います。センサは人の感覚受容器に相当し、対象に関する情報を収集して信号を発信します。出力された信号は、多くの場合電気信号です。センサは対象の状態を電気信号に変換する変換器でもあり、トランスデューサー「transducer」と呼ばれることもあります。

計測センサのように出力信号が数値で表現される連続量の場合には、センサの入力信号と出力信号とは1対1に対応しなければなりません。そうでなければ不確かさが増えてしまうからです。しかし、数値化できない対象ではそのような対応はかならずしも要求されません。もっとも簡単な例は、対象が存在するか、しないかを認識する場合で、二つの場合のいずれかの出力で十分であり、中間の値は不要となります。

画像センシング技術

画像センシング技術とは、人間の目で認識できる情報・認識することが難しい情報を機械で認識できるようにする技術です。形状・文字・マークの認識・顔や人の位置を特定するほかに顔や人の動きや年令・性別を判別することができます。

具体的な例として、オムロンの画像センシング技術には顔や人を検出・認識するシステムがあります。この技術を製品に活かすことで、デジカメなどの『顔オートフォーカス』や、来場者の属性情報をマーケティングに導入することでサービスや広告を提供する『レコメンド機能』などのIoTシステムが提供されています。

リモートセンシングの種類

遠隔操作にて計測されるリモートセンシングは、能動的リモートセンシングと受動的リモートセンシングに大別することができます。

能動型リモートセンシング

観測する側から信号を観測対象に送り、その信号が反射散乱などによって変化して戻ってきたところを受信して、観測対象の性質を得るものです。

最も有名な能動型リモートセンシングは、マイクロ波散乱計や合成開口レーダレーザプロファイラなどがあります。

受動型リモートセンシング

観測対象自らが発する信号や、散乱・反射する外部信号を観測することにより、観測対象の性質を得るものです。可視光での受動型リモートセンシングは主に観測対象が反射・散乱する太陽光を検出するものです。

赤外線やマイクロ波周波数領域での受動型リモートセンシングは、観測対象が熱放射によって発する電磁波を検出するものです。

波による分類

リモートセンシングは、通常、対象から観測者へ伝播する波を受信することによって実現されます。波の種類によって以下のように分類されます。

音波

音波は、水中でのリモートセンシングによく使われます(例:潜水艦の探知、魚群探知など)。電磁波は、超低周波を除き、水中では非常に速く減衰してしまうため、リモートセンシングには適しません。

車などに搭載されている近接距離計は、超音波の伝播速度を利用した能動型リモートセンシングの一種です。

電磁波

電磁波(光)によるリモートセンシングは、衛星や航空機によるリモートセンシングによく使われます。電磁波は、周波数(波長)によって、伝播の性質や、物質との相互作用の特性が異なるので、各周波数(波長)帯に適した用途があります。

電磁波には、波長以外にも、偏波や位相という特徴があります。これらを活用するリモートセンシング技術も存在します。

マイクロ波

マイクロ波は、赤外線よりもさらに波長の長い電磁波です。微小な水滴(雲粒)には散乱されないので、雲を透過することができるという特徴があります。したがって、可視光では雲のない地域でしか地表を観測できないのに対し、マイクロ波では上空の天気に関わらず地表を観測できるという利点があります。

水はマイクロ波周波数領域ではとても効率の良い放射体なので、海洋調査や、降水量調査といった水に関するリモートセンシングに適しています。

マイクロ波は波長が長いため、可視光に比べて高い解像度を得ることが困難です。そのため高い解像度を得るべく合成開口レーダという技術が使われています。

可視光

可視光は人間の目が感知できる周波数領域であるため、可視光による観測は人間にとって最も直感的に分かりやすく、一般のカメラやビデオカメラなどの技術に応用できます。

赤外線

赤外線は可視光より波長の長い電磁波であり、その波長によって近赤外線や遠赤外線に分類されます。地球上の物体(絶対温度が300K前後)は赤外線領域に熱放射のピークがありますので、物体の熱的な状態を赤外線の放射により観測することができます。

物体からの赤外線の放射量は温度に換算できますので、雲の温度や, 都市域の温度分布(ヒートアイランド)、海面温度分布(エルニーニョや海流の様子)などを調べる目的で使われます。また、空気の各種の分子の吸収放射波長帯の観測に特化した、サウンダーと呼ばれる赤外線センサもあり、これによって大気中の水蒸気分布や温度分布等を測定できます。

可視光と同様に雲を透過して観測することは難しいので、晴れていないと地表を観測できません。その一方、可視光と違い夜の地表面は観測可能です。

リモートセンシングの分野では、気象観測や海面温度測定等で古くから活用されてきた周波数帯でもあります。

重力(測地学)

重力加速度測定と言いますが、天体の軌道を回る衛星や航空機等にかかる加速度を精密に測定し、観測装置自身が能動的に発する加速度を引き算すると、観測装置自身にかかる正確な重力加速度が求められます。

この分布(ブーゲー異常)を調べることで、地下にある重たい物質の存在などが分かるため、鉄やウランなどの鉱物資源探査で用いられます。

近年では、水文現象の研究や、地球の形状や天体の形状を精密に測定するために重力加速度観測計画が行われています。

他にはないセンシング技術の応用へ

当社はここにご紹介したように、既存の技術と新たな技術を融合させることから未知の領域にも果敢にチャレンジし、新たな計測機器の開発を進めております。研究レベルの技術を製品レベルへ展開し、他にはない新たな応用への視野を持ち、お客様の現場に応じた用途開発も進めております。

また、市販のセンサを組み合わせての計測器も含め、ラインの提案も併せて、トータルでお手伝いさせていただいております。

 

関連記事

  1. STLデータ対応 LINE STRIPER

  2. 大型構造物を高精度に3D計測可能な、光コム技術とは?

  3. 認識困難な鋳出し文字(凹凸文字)を読み取る技術

  4. 接着・接合検査による完全品質保証のために

  5. 適切な検査で、適切な生産性向上を

  6. マイクロ波を用いた物質の密度計測

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

  1. LINE STRIPER FV_カスタマイズ機

最近のコメント

事例集